そのため、トラブルを避け人間関係を完璧に取り結ぼうとして、「我慢、引っ込み、断れない」など「自分を犠牲にして、他人のために生きる」生き方を余儀なくされています。
世間ではそうした人を「いい子、いい人」と呼んで称賛しますが、実態は、「自分がない、自己喪失」の状況であり、本人にとっては、人付き合いが煩わしく、億劫であり、苦痛の何ものでもありません。
対人不安や対人恐怖症を患う人の背景には、少なからずこのような生き方を積み重ねた過去が紛れもない事実としてあります。
人付き合いの基本は、互いに違う者同士が関わり合うわけですから、「伺う関係」、つまり相手に対し指示、命令、強制しない「いかがですか、どう思いますか」と伺い合う関係でなければなりません。
そして、その伺いに納得すれば「そうですね」とか「そうしましょう」と折り合えばいいし、仮に折り合えない時は、「ごめんね」とすっきり、さっぱり断ることが大事です。
自信を持って断るには「人それぞれ考え方が違っても、お互いさま」という気持ちがなければなりませんが、人間関係で悩む「あなた」には、もしかしたらその「お互いさま」と受け止めることができないのかもしれません。
ちなみに、人間関係のトラブルの原因は「相手の課題(領域)に入り込むか、自分の課題(領域)に入り込まれることによって起こる」ことを忘れてはいけません。
イメージ的には、互いの「人差し指」の先が触れる位置が、人付き合いの基本であり、付き過ぎたり、付き足りないのを失くすことが、あらゆる人間関係の悩みを解決する唯一の方法です。
この意味、お解りでしょうか。