■「折れない心折れない心を身につける。

人生に、「悩み」はつきものです。
私たちは 生きていく中で多かれ少なかれ「悩み」を抱えて生きています。

ところで、「悩み」は、プラスの意味や価値をもつポジティブな悩みと、マイナスの意味や価値を持つネガティブな悩みのふたつがあります。

家を新築する時、部屋の間取りを考えたり、車を買い替える時の車種選びなど ポジティブな悩みは、気力や意欲など生きるための大きな活力を生みますが、 ネガティブな悩みは、私たちの生活行動を停滞させ、さまざまな問題を引き起こす原因になるため、速やかに解決しなければなりません。

■レジリエンスの意味。

レジリエンスとは、外力による「心の歪(ゆが)み」であるストレス対する「精神的回復力、抵抗力、復元力、回復力、克服力」と呼ばれ、この力が弱いと私 たちの心は折れてしまいます。

つまり、「折れない心」とは「ストレスに打ち克ち、逆境を乗り越え、どんな 困難にもへこたれない「元気でしなやかな心」と言われています。

そしてレジリエンスには1心が折れた状態からの回復と2心が折れない状況 を維持するというふたつの側面があります。

対応については、別の動画、MHPC メンタルサプリ「心が折れない悩み方」 で詳しく説明していますので是非、ご覧下さい。

特に、2心が折れない状況を維持するというポイントは、日々の生活で「自分も他人も憂うつにならない」生き方を心掛けます。

ところで、レジリエンスの概念は、現在さまざまな分野で活用され、身近な所 では、私たちが日々の生活で健康を維持するため、食事に気を配るとか、散歩や運動をします。

また企業や会社は、新商品を開発したり、合理化を図ったり、社員研修を通して従業員の就労意欲を高めたりして、健全経営を図ろうとします。 こうした行為は、正にレジリエンスの実践と言えましょう。

このように、「転ばぬ先の杖」や「備えあれば憂(うれ)いなし」の格言のように、 「こうすることは、どうなるのかな」という前提で、常に冷静に結果を予測す ることも、立派なレジリエンスの実践と言えます。

■長期化、深刻化がもたらすリスク。

ところで、私たちが悩みが解決できないとどうなるのか、順を追って考えてみ ましょう。

人生に「悩み」はつきもので、私たちは何かしらも悩み抱えて生きています。 中でも、ネガティブな思いや感情に基づく悩みが解決できず、苦悩する時間が 長く、停滞した状況が続けば、やがて無気力になったり、精神的に不安になり 医療の援助が必要になったり、反社会的・非社会的行動をとるなど、健やかな 生活を妨げる大きなリスクファクター(要因)になり兼ねません。

こうした状況を「3 大リスク」と呼び、ひとたび陥るとそこから回復すること は、容易なことではありません。

また、3 大リスクの中の反社会的・非社会的行動について言えば、その最右翼 は「犯罪行為」ですが、そこまでいかなくとも、考え方や捉え方、受け止め方 といった「解釈」、つまり「認知に偏(かたよ)り」や「歪(ゆが)み」が生じ、自分 の世界でしか通用しない考えや論理に基づいて行動する恐れが出てきます。

例えば、子どもは不登校やひきこもりのつらさから逃れる(回避する)ため、 「学校がすべてではない」とか、「昔は学校がなかった」など自分に都合の良 い「解釈」をして、とってつけたような「言い訳」をしたり、「論理をすり替 える」という(セルフサービング・バイアス)や、失敗したり、うまくいかなか った時の「言い訳」を先に用意して、自ら傷つくことを事前に予防する(セル フハンディキャッピング)など、いずれも問題の本質と正面から向き合わず、 現実に目を背け、かわす、逃げる、避けるというアディクション(依存など悪 い思考習慣)を学習します。

経験的に申し上げれば、長期化や深刻化した「心の病の患者」をはじめ、不登校やひきこもり、さらに「生きにくさ」を抱え、日常生活の停滞を余儀なくされている多くの「彼ら」は、申し合わせたようにこのことを学習している「現 実」があり、それが問題解決を一層、困難にしています。

特に、子どもの「認知の偏(かたよ)り」や「歪(ゆが)み」は、子育て教育の中で 起こると言われています。

親が子どもを褒(ほ)めことをしないで、何かにつけ否定したり、叱責をすると か、強制したり束縛をすれば、子どもはそうした苦痛から逃れるために、親に 叱られないように嘘をついたり、言い訳をするなど「自分を守る」生き方を学 習します。

ですから、子育て教育においては、常に子どもの利益を中心に、「子どもの立 場」になって関わらなければなりません。