08.子育て教育 「ひとくちアドバイス」その③
■「今」という言葉が、自らに対する「期待と可能性」を生む。
不登校やひきこもりに限らず、悩みを抱え、生活行動を停滞している人のほと んどは、自己評価が低く自己否定や嫌悪感、自責感や自罰感を募らせています。
さらに、挫折や失敗に対し、「もしかしたら、これからも失敗するのではないか」「おそらく、きっと失敗するだろう」「失敗するに決まっている」という思 い込みや決めつけ、こだわりやとらわれ感を持っています。
そうした思いを断ち切るには、「今だけ」とか「今回に限って」と解釈することが必要です。
「楽観的思考」には、自分にとって不都合なことに対して「いつもじゃない、 今だけ」とか「たまたま、今回に限って」と思う「学習的楽観性」があります。
例えば、子どもがテストで 30 点しか取れず、落ち込んでいる場合、親が「今 回、30 点だったの、また次があるからね」とか「いつもじゃないから、いい んじゃない」と話しかければ、子どもの先行き不安や後悔している気持ちを払 拭するばかりか、子どもの自己効力感(自分に対する可能性や期待感)を育むことに繋がります。
私たちは、過去を生きているわけでも、未来を生きているわけでもありません。 「今」「今」「今」の連続を生きています。 「今」、「今回に限って」という「解釈」が、ネガティブな「関係観念」を断ち切ります。
切り替えや割り切りは早い人は、このように解釈して生きています。
■子どもと会話ができない状況においては、手紙を書きます。
親は子どもに伝えたい。しかし子どもは頑(かたく)なに拒否をします。 このような親子の疎遠(そえん)な関係は、多くの家庭でよく見られる光景です。
こうした状況に至る背景には、さまざまな事情があるにせよ、親子関係に意志疎通は欠かせません。
このような場合、親が躊躇(ちゅうちょ)して会話のない状態を続ければ、親も子 どもも「寄り付き」のタイミングを失い、好ましくない状況を招きます。
会話ができない場合、手紙やメモを活用します。
字はやや大きく読みやすい字で、内容は端的にポイントを伝えます。
そして内容は、食事に関することや体をいたわるような心配りに関する話題が良いでしょう。
くれぐれも論理的に説得するような内容や、弁解じみた内容にならないように注意します。
そして、文章の最後に「父、母はこのように思うが、あなたはどう思う」とか、 「どうだろうか」という「伺う言葉」を忘れずに。
■子どもとの会話で謝罪を求められた場合、素直に謝ることも必要。
親の謝罪に対し、子どもが「それ見たことか!!」と開き直るような態度をみせ たら謝罪を中断し、真剣な顔で子どもの目を見て「あなたには、二度と謝らないからそのつもりで」と言ってその場を離れ、しばらく距離を取ります。
その意味は、親子であっても「人間関係は、お互いさまの関係」で成り立って いるということと、「勝ち負けの関係」ではない、ということを教える必要があるからです。
特に、「謝罪」には、「する側」と「受ける側」にそれ相応の態度が求められ、 それは、「真面目、正直、素直、謙虚」な心と、相手への気配りや心配りが双方になければなりません。
ところで、子どもに対してその場しのぎの「謝り」は「服従」になりますから 注意が必要です。
■「良い意味でのおせっかい」を続ける。
一度や二度、拒否されたからといって、子どもへの関わり方を変えたり、関わりをやめてはいけません。
何故なら、三度目、四度目に子どもが気づく場合もあるし、子どもは自分へ対 する親の対応が「ほんもの」かどうか、親を確認している場合があります。
子どもに対する親のスタンスは、子どもの「利益」を中心に、「善悪論」を捨 て、子どもにとって何が「得なこと」か、何が「損なこと」かを考え、子ども からの返事や反応は一切求めず、子どもに「伺い」ながら、「ただ」「寄り添う」、 おせっかいの「父母」でなければなりません。
この「」内の言葉の意味が解かれば、子育て教育で不安や戸惑いを感じたり、悩むことはないでしょう。
この言葉の意味を、しっかり理解してほしいものです。
加えて、子どもには、常に正直に一貫性を持って関わり続けることが大事です。
■3A「焦(あせ)らず、あわてず、あきらめない」
子育て教育において、3A の言葉は重要なキーワードです。
また、「頑張る」ことや「焦り」は、百害あって一利なしと心得ます。
何故なら、親の「焦りや頑張り」は、子どもに対する「指示や強制」に変わり、 親子関係を窮屈(きゅうくつ)にするだけで、意思の疎通を絶(た)やし兼ねません。
ところで、何故「焦るのか」、その背景には、親の不安があるからです。 さらに、「あわてる」背景には、親の一方的な夢や期待がはずれるという理由 があります。
そして、「あきらめる」という背景には、子育て教育の「義務と責任」の放棄 (ほうき)があります。 つまり、育児放棄や養育放棄であり、明らかに子どもへの虐待(ぎゃくたい)です。
「子育て教育」は教え育てるもの。
かけがえのない子どもに、楽しく教え、健やかに育てる「親力」がなければ、子どもを幸せにすることはできません。
■「甘やかす子」と「甘えさせる子」の違い。
「甘えさせる」ことと「甘やかす」ことは違います。
子どもの課題、つまり、子どもが本来やるべきことを親が代わってやってしま うと、何かにつけ人をあてにしたり、主体性をなくし自らやろうとしない、す なわち「甘やかされた子ども」になります。
特に、教育熱心(教育ママ的)な親や、子育てに不安を持つ親、心配性の親や子 どもを信頼できない親、気が短い親、完璧な親は、子どもの「一挙手一投足」 が気になり、歯がゆさを感じて、子どものやるべきこと、つまり、子どものや るべき「課題」を親が先回りして代わってやります。
もともと人間は「億劫さや面倒くささ」を持っていますから、誰かが代わって くれれば「これ幸い」と受け止めます。
しかしその結果、自分がやらなくてはならない場面では、駄々(だだ)をこねて 我がままな振る舞いをしたり、何かにつけ人に依存したり、それらが叶わぬと 見るや、「投げやり」な行動をとったり、行動そのものを拒否します。
ところが、子どもが一生懸命努力してやろうとしても、なかなかできない時が あります。
その時に親が手助けをしてあげる、それが子どもを「甘えさせる」ことです。
子どもにとってどうしても無理なこと、不可能なこと、難しいことに対し、側 面的に援助することが「甘えさせる」ことであり、そのことが情緒的に安定し た子どもを育てることに繋がり、その結果、最後までやり通す力や忍耐力をは じめ、探求心や創造力を育みます。
この違いが解からないと、自己中心的で我がまま、気ままな「甘える子」を育てることになります。
一般的には「甘えさせる」と自ら何もしない「主体性」を持たない子どもにな ると言われていますが、それは大きな間違いです。
子ども時代に、親に十分「甘えさせられた子ども」は、あらゆる面で豊かな人 間性を発揮して生きています。
■「今」という言葉が、自らに対する「期待と可能性」を生む。
不登校やひきこもりに限らず、悩みを抱え、生活行動を停滞している人のほと んどは、自己評価が低く自己否定や嫌悪感、自責感や自罰感を募らせています。
さらに、挫折や失敗に対し、「もしかしたら、これからも失敗するのではないか」「おそらく、きっと失敗するだろう」「失敗するに決まっている」という思 い込みや決めつけ、こだわりやとらわれ感を持っています。
そうした思いを断ち切るには、「今だけ」とか「今回に限って」と解釈することが必要です。
「楽観的思考」には、自分にとって不都合なことに対して「いつもじゃない、 今だけ」とか「たまたま、今回に限って」と思う「学習的楽観性」があります。
例えば、子どもがテストで 30 点しか取れず、落ち込んでいる場合、親が「今 回、30 点だったの、また次があるからね」とか「いつもじゃないから、いい んじゃない」と話しかければ、子どもの先行き不安や後悔している気持ちを払 拭するばかりか、子どもの自己効力感(自分に対する可能性や期待感)を育むことに繋がります。
私たちは、過去を生きているわけでも、未来を生きているわけでもありません。 「今」「今」「今」の連続を生きています。 「今」、「今回に限って」という「解釈」が、ネガティブな「関係観念」を断ち切ります。
切り替えや割り切りは早い人は、このように解釈して生きています。
■子どもと会話ができない状況においては、手紙を書きます。
親は子どもに伝えたい。しかし子どもは頑(かたく)なに拒否をします。 このような親子の疎遠(そえん)な関係は、多くの家庭でよく見られる光景です。
こうした状況に至る背景には、さまざまな事情があるにせよ、親子関係に意志疎通は欠かせません。
このような場合、親が躊躇(ちゅうちょ)して会話のない状態を続ければ、親も子 どもも「寄り付き」のタイミングを失い、好ましくない状況を招きます。
会話ができない場合、手紙やメモを活用します。
字はやや大きく読みやすい字で、内容は端的にポイントを伝えます。
そして内容は、食事に関することや体をいたわるような心配りに関する話題が良いでしょう。
くれぐれも論理的に説得するような内容や、弁解じみた内容にならないように注意します。
そして、文章の最後に「父、母はこのように思うが、あなたはどう思う」とか、 「どうだろうか」という「伺う言葉」を忘れずに。
■子どもとの会話で謝罪を求められた場合、素直に謝ることも必要。
親の謝罪に対し、子どもが「それ見たことか!!」と開き直るような態度をみせ たら謝罪を中断し、真剣な顔で子どもの目を見て「あなたには、二度と謝らないからそのつもりで」と言ってその場を離れ、しばらく距離を取ります。
その意味は、親子であっても「人間関係は、お互いさまの関係」で成り立って いるということと、「勝ち負けの関係」ではない、ということを教える必要があるからです。
特に、「謝罪」には、「する側」と「受ける側」にそれ相応の態度が求められ、 それは、「真面目、正直、素直、謙虚」な心と、相手への気配りや心配りが双方になければなりません。
ところで、子どもに対してその場しのぎの「謝り」は「服従」になりますから 注意が必要です。
■「良い意味でのおせっかい」を続ける。
一度や二度、拒否されたからといって、子どもへの関わり方を変えたり、関わりをやめてはいけません。
何故なら、三度目、四度目に子どもが気づく場合もあるし、子どもは自分へ対 する親の対応が「ほんもの」かどうか、親を確認している場合があります。
子どもに対する親のスタンスは、子どもの「利益」を中心に、「善悪論」を捨 て、子どもにとって何が「得なこと」か、何が「損なこと」かを考え、子ども からの返事や反応は一切求めず、子どもに「伺い」ながら、「ただ」「寄り添う」、 おせっかいの「父母」でなければなりません。
この「」内の言葉の意味が解かれば、子育て教育で不安や戸惑いを感じたり、悩むことはないでしょう。
この言葉の意味を、しっかり理解してほしいものです。
加えて、子どもには、常に正直に一貫性を持って関わり続けることが大事です。
■3A「焦(あせ)らず、あわてず、あきらめない」
子育て教育において、3A の言葉は重要なキーワードです。
また、「頑張る」ことや「焦り」は、百害あって一利なしと心得ます。
何故なら、親の「焦りや頑張り」は、子どもに対する「指示や強制」に変わり、 親子関係を窮屈(きゅうくつ)にするだけで、意思の疎通を絶(た)やし兼ねません。
ところで、何故「焦るのか」、その背景には、親の不安があるからです。 さらに、「あわてる」背景には、親の一方的な夢や期待がはずれるという理由 があります。
そして、「あきらめる」という背景には、子育て教育の「義務と責任」の放棄 (ほうき)があります。 つまり、育児放棄や養育放棄であり、明らかに子どもへの虐待(ぎゃくたい)です。
「子育て教育」は教え育てるもの。
かけがえのない子どもに、楽しく教え、健やかに育てる「親力」がなければ、子どもを幸せにすることはできません。
■「甘やかす子」と「甘えさせる子」の違い。
「甘えさせる」ことと「甘やかす」ことは違います。
子どもの課題、つまり、子どもが本来やるべきことを親が代わってやってしま うと、何かにつけ人をあてにしたり、主体性をなくし自らやろうとしない、す なわち「甘やかされた子ども」になります。
特に、教育熱心(教育ママ的)な親や、子育てに不安を持つ親、心配性の親や子 どもを信頼できない親、気が短い親、完璧な親は、子どもの「一挙手一投足」 が気になり、歯がゆさを感じて、子どものやるべきこと、つまり、子どものや るべき「課題」を親が先回りして代わってやります。
もともと人間は「億劫さや面倒くささ」を持っていますから、誰かが代わって くれれば「これ幸い」と受け止めます。
しかしその結果、自分がやらなくてはならない場面では、駄々(だだ)をこねて 我がままな振る舞いをしたり、何かにつけ人に依存したり、それらが叶わぬと 見るや、「投げやり」な行動をとったり、行動そのものを拒否します。
ところが、子どもが一生懸命努力してやろうとしても、なかなかできない時が あります。
その時に親が手助けをしてあげる、それが子どもを「甘えさせる」ことです。
子どもにとってどうしても無理なこと、不可能なこと、難しいことに対し、側 面的に援助することが「甘えさせる」ことであり、そのことが情緒的に安定し た子どもを育てることに繋がり、その結果、最後までやり通す力や忍耐力をは じめ、探求心や創造力を育みます。
この違いが解からないと、自己中心的で我がまま、気ままな「甘える子」を育てることになります。
一般的には「甘えさせる」と自ら何もしない「主体性」を持たない子どもにな ると言われていますが、それは大きな間違いです。
子ども時代に、親に十分「甘えさせられた子ども」は、あらゆる面で豊かな人 間性を発揮して生きています。
代表・矢吹孝志(やぶきたかし) 福島県生まれ
*MHPC代表、健康・教育カウンセラー
*レジリエンスセラピスト
*公立学校共済組合福島県支部「こころのケア事業」
・委託カウンセラー
*ティーペック(株)東京/大阪 ・委託カウンセラー
*システムブレーン/ライセンスアカデミー(講師派遣会社)
・登録講師
*NPO法人・日本フリースクール協会理事
MHPCマインドヘルスパーソナリティセンター
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