16.暗示の力を活用する。

❖暗示(あんじ)の力を活用する。

「ぼろは着てても、心は錦(にしき)」という言葉を、耳にしたことがあるかと思います。
仮にみすぼらしく粗末(そまつ)な衣類を身につけていたとしても、心まで貧(まず)しいので はなく、心は豊かで優(すぐ)れた徳(とく)を備(そな)えて、充実しているという意味ですが、 現代社会において、はたしてどのぐらいの人がこの意味を理解できるでしょうか。

おそらく、この意味が解かり、そうした心の内面を察(さっ)する人は、よほどの卓越(たく えつ)した「人間観察力」を持っている人に限られるのではないでしょうか。
ほとんどの人には、「ぼろ」は「ぼろ」にしか見えず、「ぼろ」から連想するイメージは、 貧しい人、品のない人、ダサい人であって、決して良い評価は頂けません。

その理由は、わたしたち人間には「被暗示性(ひあんじせい)」という暗示を受けやすい性 質があって、視覚や聴覚(ちょうかく)をはじめ、味覚や臭覚(しゅうかく)、触覚(しょっかく)など 「五感」から得た情報が、「ぼろ=貧しい、下品」とイメージすることで、そのイメージが 大脳に暗示(あんじ)され、その暗示のはたらきによって、ぼろを着ている人を避けるとか、 不快な感情を抱くなど、私たちの行動に影響を与えています。

このように、「人」をはじめ、ものごとや出来事に対して抱く感情である「観念」に基づ いて行動する私たちは、この場合、「ぼろ=貧しい、下品」と暗示化されたイメージによ って、さまざまな行動や反応をします。

「ぼろ」を着ている人に違和感を持ったり、避けたりするのは、「そうしなさい」と指 示されてそうしているのではなく、暗示の力によって自然にそのような行動をします。
このことは、「観念行動の法則」の基づくものです。

ちなみに、「指示」と「暗示」の違いについて、指示は「こうしなさい」と第三者から の強制や命令、要請によるものですが、暗示は、自らの思いやイメージによって、自然に 反応することです。

禁煙時代に「たばこ」の話で恐縮ですが、例えとして、ある日、日頃から親しくしてい る A さんが B さんの自宅に来ます。
応対する B さんの奥様は、いつもの通りお茶を出しますが、A さんが頼んだわけでも ないのに、また、この家で、たばこを吸う人がいないにもかかわらず、その日に限ってお 茶とともに、何故か「灰皿」が一緒に出てきます。

何とも不思議な光景ですが、奥様に一体、何があったのでしょうか。
その答えは、A さんを茶の間に案内する時、奥様が A さんのシャツのポケットの中にあ るたばこを偶然、目にしたところから始まります。

その時奥様は、「A さんは、たばこを吸う人なんだ」とか、「嫌だなあ、たばこを吸うな んて」とさまざまな思いを抱きますが、「たばこ」という「もの」が目から脳に送られた 段階で、奥様の潜在意識(無意識)の中では、「たばこ」=「吸う」=「灰皿が必要」とイメ ージしますから、そのイメージに従い、つまり「観念」に基づいて「灰皿を運ぶ」という 行動が生まれます。

このことは、「たばこ」という「もの=刺激(しげき)という」が暗示化され(暗示となって)、 灰皿を運ぶ行動を促(うなが)したわけで、しかも、「灰皿を持って来て下さい」と指示され たわけではないので、自然な形で「灰皿を運ぶ」という行動に現(あらわ)れます。

このように、私たちにとって、五感で感じる「刺激」によって抱くイメージは、非常に 重要な意味を持つため、それによってはたらく「暗示の力」を軽く見てはいけません。

指示の力より暗示の力は、無理なく自然にはたらくため、その差は歴然(れきぜん)として います。
指示されることには、「イヤだなぁ、やりたくない」などの「反発や反抗」など不快な感 情が伴いますが、暗示にはそのような感情はなく、むしろ「自ら進んでやろう」という思 いや感情が伴います。

現在、メンタルヘルスの分野では「暗示の心理」を活用した「暗示療法」や「自立訓練 法」をはじめ、スポーツ選手の多くが取り入れている「イメージトレーニング」などで広 く実践されています。

ところで「暗示」は、ものごとや出来事をはじめ、状況や場面に対する「見方や考え方、 捉え方や受け止め方」、さらに「思い方や感じ方」と言った「解釈の仕方」によって、プ ラスのイメージを持つ暗示力になったり、反対に、マイナスのイメージを持つ暗示力にな るため、注意が必要です。

いつも鬱々(うつうつ)と停滞した生活を送っている人は、ものごとや出来事をネガティブ な思考で「解釈」しているため、マイナスのイメージを持つ暗示力がはたらいていると考 えられます。

つまり、暗示は「解釈の仕方」によって、プラスにもマイナスにもその「はたらき方」 が変わるため、私たちは日々の生活で、気分的に快く感じられる「もの」や「状況」を五 感覚に直接、訴えることで、プラスのイメージを持つ暗示力を活用することができます。

例えば、サラリーマンなら靴に背広や鞄(かばん)などいつも使う物を新調(しんちょう)する とか、学生さんは、ノートやペンを買い替えたり、農家の人は、鍬(くわ)・鎌を、教師は生徒の席替(せきが)えをしたり、主婦は、部屋の模様替(もようが)えをすることで、気分が爽快 (そうかい)になり、気力が充実してきます。

ちなみに、お年寄りは杖(つえ)やゲートボールのステックなどを買え替えたり、少し「若 向き」な服装を身につけることで、外出する機会が増え、健康増進(けんこうぞうしん)に役立 つように、行動が停滞気味の場合、「どうしたら活動的になれるか」と頭で考えているよ り、新しいものに代えたり、ちょっとした工夫(くふう)で暗示の力を活用します。

また近年、「リトリートライフ」、和訳(わやく)で「転地療養(てんちりょうよう)」という、セ ルフ・メンタルサポートが注目されています。

住み慣れた自宅を離れて、自然豊かな環境の中で、心身のリフレッシュを図ることを目 的に、森林浴や黙想(もくそう)などを通して心を癒(いや)し、「気づき」を得る時間を持つ人 が増えています。
いずれも、五感覚を通し、豊かな自然環境から得られる「プラスのイメージを持つ暗示 の力」を活用しています。

ストレス社会を生きる私たちにとってこれからは、心身のリフレッシュを図る場所とし て、自分だけの「マイ・パワースポット」を持ったり、ゆったりとした気持ちでくつろげ る「マイ・パワータイム」を持つことが、是非とも必要になります。

特に、悩んだら、困ったら、迷ったら、そして、人生に疲れたら、日々の生活を工夫し て、暗示の持つ力を最大限、活用することです。
「心が折れない悩み方」を身につける重要な方法のひとつです。

但(ただ)し、暗示はプラスにもマイナスにもはたらくという「両刃の剣(りょうばのけん)」 の性質があるため、日頃から意識して、「快いとか、楽である、気持ちが良い、わくわくす る、ウキウキする、やる気が出る、自信が湧(わ)く」ことをするとか、そうした環境を整(と との)えてみてはいかがでしょう。

プラスのイメージを持つ暗示の力が引き出され、生活に潤(うるお)いと活気が生まれます。

❖暗示(あんじ)の力を活用する。

「ぼろは着てても、心は錦(にしき)」という言葉を、耳にしたことがあるかと思います。
仮にみすぼらしく粗末(そまつ)な衣類を身につけていたとしても、心まで貧(まず)しいので はなく、心は豊かで優(すぐ)れた徳(とく)を備(そな)えて、充実しているという意味ですが、 現代社会において、はたしてどのぐらいの人がこの意味を理解できるでしょうか。

おそらく、この意味が解かり、そうした心の内面を察(さっ)する人は、よほどの卓越(たく えつ)した「人間観察力」を持っている人に限られるのではないでしょうか。
ほとんどの人には、「ぼろ」は「ぼろ」にしか見えず、「ぼろ」から連想するイメージは、 貧しい人、品のない人、ダサい人であって、決して良い評価は頂けません。

その理由は、わたしたち人間には「被暗示性(ひあんじせい)」という暗示を受けやすい性 質があって、視覚や聴覚(ちょうかく)をはじめ、味覚や臭覚(しゅうかく)、触覚(しょっかく)など 「五感」から得た情報が、「ぼろ=貧しい、下品」とイメージすることで、そのイメージが 大脳に暗示(あんじ)され、その暗示のはたらきによって、ぼろを着ている人を避けるとか、 不快な感情を抱くなど、私たちの行動に影響を与えています。

このように、「人」をはじめ、ものごとや出来事に対して抱く感情である「観念」に基づ いて行動する私たちは、この場合、「ぼろ=貧しい、下品」と暗示化されたイメージによ って、さまざまな行動や反応をします。

「ぼろ」を着ている人に違和感を持ったり、避けたりするのは、「そうしなさい」と指 示されてそうしているのではなく、暗示の力によって自然にそのような行動をします。
このことは、「観念行動の法則」の基づくものです。

ちなみに、「指示」と「暗示」の違いについて、指示は「こうしなさい」と第三者から の強制や命令、要請によるものですが、暗示は、自らの思いやイメージによって、自然に 反応することです。

禁煙時代に「たばこ」の話で恐縮ですが、例えとして、ある日、日頃から親しくしてい る A さんが B さんの自宅に来ます。
応対する B さんの奥様は、いつもの通りお茶を出しますが、A さんが頼んだわけでも ないのに、また、この家で、たばこを吸う人がいないにもかかわらず、その日に限ってお 茶とともに、何故か「灰皿」が一緒に出てきます。

何とも不思議な光景ですが、奥様に一体、何があったのでしょうか。
その答えは、A さんを茶の間に案内する時、奥様が A さんのシャツのポケットの中にあ るたばこを偶然、目にしたところから始まります。

その時奥様は、「A さんは、たばこを吸う人なんだ」とか、「嫌だなあ、たばこを吸うな んて」とさまざまな思いを抱きますが、「たばこ」という「もの」が目から脳に送られた 段階で、奥様の潜在意識(無意識)の中では、「たばこ」=「吸う」=「灰皿が必要」とイメ ージしますから、そのイメージに従い、つまり「観念」に基づいて「灰皿を運ぶ」という 行動が生まれます。

このことは、「たばこ」という「もの=刺激(しげき)という」が暗示化され(暗示となって)、 灰皿を運ぶ行動を促(うなが)したわけで、しかも、「灰皿を持って来て下さい」と指示され たわけではないので、自然な形で「灰皿を運ぶ」という行動に現(あらわ)れます。

このように、私たちにとって、五感で感じる「刺激」によって抱くイメージは、非常に 重要な意味を持つため、それによってはたらく「暗示の力」を軽く見てはいけません。

指示の力より暗示の力は、無理なく自然にはたらくため、その差は歴然(れきぜん)として います。
指示されることには、「イヤだなぁ、やりたくない」などの「反発や反抗」など不快な感 情が伴いますが、暗示にはそのような感情はなく、むしろ「自ら進んでやろう」という思 いや感情が伴います。

現在、メンタルヘルスの分野では「暗示の心理」を活用した「暗示療法」や「自立訓練 法」をはじめ、スポーツ選手の多くが取り入れている「イメージトレーニング」などで広 く実践されています。

ところで「暗示」は、ものごとや出来事をはじめ、状況や場面に対する「見方や考え方、 捉え方や受け止め方」、さらに「思い方や感じ方」と言った「解釈の仕方」によって、プ ラスのイメージを持つ暗示力になったり、反対に、マイナスのイメージを持つ暗示力にな るため、注意が必要です。

いつも鬱々(うつうつ)と停滞した生活を送っている人は、ものごとや出来事をネガティブ な思考で「解釈」しているため、マイナスのイメージを持つ暗示力がはたらいていると考 えられます。

つまり、暗示は「解釈の仕方」によって、プラスにもマイナスにもその「はたらき方」 が変わるため、私たちは日々の生活で、気分的に快く感じられる「もの」や「状況」を五 感覚に直接、訴えることで、プラスのイメージを持つ暗示力を活用することができます。

例えば、サラリーマンなら靴に背広や鞄(かばん)などいつも使う物を新調(しんちょう)する とか、学生さんは、ノートやペンを買い替えたり、農家の人は、鍬(くわ)・鎌を、教師は生徒の席替(せきが)えをしたり、主婦は、部屋の模様替(もようが)えをすることで、気分が爽快 (そうかい)になり、気力が充実してきます。

ちなみに、お年寄りは杖(つえ)やゲートボールのステックなどを買え替えたり、少し「若 向き」な服装を身につけることで、外出する機会が増え、健康増進(けんこうぞうしん)に役立 つように、行動が停滞気味の場合、「どうしたら活動的になれるか」と頭で考えているよ り、新しいものに代えたり、ちょっとした工夫(くふう)で暗示の力を活用します。

また近年、「リトリートライフ」、和訳(わやく)で「転地療養(てんちりょうよう)」という、セ ルフ・メンタルサポートが注目されています。

住み慣れた自宅を離れて、自然豊かな環境の中で、心身のリフレッシュを図ることを目 的に、森林浴や黙想(もくそう)などを通して心を癒(いや)し、「気づき」を得る時間を持つ人 が増えています。
いずれも、五感覚を通し、豊かな自然環境から得られる「プラスのイメージを持つ暗示 の力」を活用しています。

ストレス社会を生きる私たちにとってこれからは、心身のリフレッシュを図る場所とし て、自分だけの「マイ・パワースポット」を持ったり、ゆったりとした気持ちでくつろげ る「マイ・パワータイム」を持つことが、是非とも必要になります。

特に、悩んだら、困ったら、迷ったら、そして、人生に疲れたら、日々の生活を工夫し て、暗示の持つ力を最大限、活用することです。
「心が折れない悩み方」を身につける重要な方法のひとつです。

但(ただ)し、暗示はプラスにもマイナスにもはたらくという「両刃の剣(りょうばのけん)」 の性質があるため、日頃から意識して、「快いとか、楽である、気持ちが良い、わくわくす る、ウキウキする、やる気が出る、自信が湧(わ)く」ことをするとか、そうした環境を整(と との)えてみてはいかがでしょう。

プラスのイメージを持つ暗示の力が引き出され、生活に潤(うるお)いと活気が生まれます。

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