「棚上げ」しないで落ちること

棚上げしないで「落ちる」こと。

レジャーランドや遊園地、 人気の高い乗り物は、 絶叫マシーンやコースター。

人気の秘密は何だろう。 遠路、はるばる出かけては、 行列つくって乗車待ち、 金まで払って得るものは、 瞬時に「落ちた」そのあとの、 全身漂う安らぎを、 人はお金で買っている。

さらに加えて言うならば、 緊張感から一瞬に、 解き放たれた安心感、 心和らぐ感情は、 瞬時であればあるほどに、 後味(あとあじ)を引く快感で、 何故だか人は好みます。

そういう意味で考えりゃ、 「落ちる」魅力というものは、 緊張感をなくしたり、 「安心感」を得るための、 手っ取り早い方法で、 大いに活用すべきです。

ところで「落ちる」と言うことは、 物の落下もそうですが、 「一件落着」するという、 そうした意味もあるのです。

下世話な話になりますが、 お堅い女性を好きになり、 口説き続けたその後で、 デートの約束取り付けた、 男の口から出る言葉、 「ようやく口説き落としたよ」。

さらに契約取り付けた、 セールスマンのひと言は、 「ようやく落ちたよ、あの客が」。

ちなみに「落ちる」と言う言葉、 日々の暮らしや生活の、 いろんな場面で使われる。

も少し詳しく言うならば、 「落ちる」意味とは物ごとが、 解決したというほかに、 高い場所から物体が、 低く安定する場所へ、 落ち着くことを意味します。

不安を抱えている人や、 不満を感じている人は、 「動かし難い現実」を、 あるがままに受け入れず、 イヤだ、参った、困ったと、 「我欲の棚」で身勝手な、 愚痴をこぼしているために、 心はいつも揺れ動き、 安定しない状態を、 余儀なくされているのです。

棚上げする場というものは、 「あのときああしていたならば」、 「こうしていれば良かった」と、 過去にこだわり、とらわれて、 後悔ばかりしてるとか、 自分の失敗、過ちを、 他人のせいにしてみたり、 人を頼ってあてにする、 自己中心の生き方を、 するには最も都合が良い、 居場所なのかもしれません。

不安や不満の葛藤を、 解決したいと思うなら、 こだわり、とらわれ、思い込み、 決めつけている「我」を捨てて、 無意味な「棚」から潔く、 「自分落とし」をしなければ、 解決策はありません。

ちなみに平家の「都(みやこ)落ち」、 源氏を恐れ京を去り、 「都落ち」したそのことで、 心の安堵を得たのです。

「落ちる」というのはこのように、 安らぐ場所に着けるから、 「落ち着く」ことになるのです。

常に人から愛されて、 好感持てる人たちは、 いつも心が落ち着いて、 ゆとりを持って生きている。

平穏無事に生きたけりゃ、 見栄やおごりや自慢など、 「虚勢の棚」でどっかりと、 胡坐(あぐら)をかいてる暇がありゃ、 今すぐ直ちに落ちましょう‼

そして心を改めて、 身の丈を知り、相応に、 真面目に生きて行くのです。

そうか、なるほどそのとおり、言われてみれば、ごもっとも‼

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